結論
- 中身の検討は終わっています。ご判断いただきたいのは費用だけです。8人で使う想定で、月およそ4万6千円(年55万円)の増加になります。
- いちばんの理由は、便利さでもコスト削減でもありません。会社の大事なものが、佐々木個人のアカウントの上に載っている状態を解消することです。全社の資料が入っているフォルダも、業務を回しているAIも、いまは佐々木の個人契約です。
- 制約:現在のMicrosoft 365の契約内容(プラン・席数・更新月)がまだ確認できておらず、移行後に減らせる金額は出せていません。上記の4万6千円は「増える側」だけの数字です。
1なぜ今なのか
ライドウィズは、実際に働く人が3名で、その分の仕事をAIに担わせて回しています。この形を続けるほど、「会社の記録と仕組みが、どのアカウントの上に載っているか」が経営リスクそのものになっていきます。
現状を並べると、こうなっています。
| 会社の大事なもの | いま誰の名義か | 会社のものか |
|---|---|---|
| 会社のメール(@ridewith.co.jp) | 会社(Microsoft 365) | はい |
| 会社のホームページ | 会社(古川社長が管理) | はい |
| 全社の共有フォルダ(資料の正本) | 佐々木 個人のGoogleアカウント | いいえ |
| 業務を回しているAI | 佐々木 個人の契約 | いいえ |
| 売上・アクセスの分析基盤 | 会社用に作ったGmailアカウント | いいえ |
| 社外共有ページの置き場 | 会社用に作ったGmailアカウント | いいえ |
もうひとつ、規模が小さい今のうちにやるほど安く済むという事情があります。人も、顧客も、資料も増えてから移すと、同じ作業が何倍にもなります。
2決めたい3つのこと
① 会社名義のGoogleを用意し、共有フォルダを会社のものにする
いま全社の資料が入っているフォルダは、佐々木の個人アカウントの中にあります。会社名義のGoogleを新しく作り、そこへ引っ越します。これが今回いちばん効く一手です。1人あたり月1,600円。
あわせて、メール・カレンダー・ファイルもGoogle側に寄せ、Microsoftは最小限だけ残す形にします。
② 社内の連絡をSlackに一本化する(Teamsをやめる)
いま社内の連絡はTeamsとSlackに割れています。AIが書き込めるのはSlackだけで、Teamsには書き込む手段がありません。AIからの報告・確認依頼を受け取る場所として、Slackに寄せます。1人あたり月1,050円。
有料版にするのは、無料のままだと社内のやり取りが90日で見えなくなり、来年7月に完全に消えるためです。人の会話が乗る以上、残す必要があります。
③ AIを個人契約から会社契約に変える
いま使っているAIは個人向けの契約で、入力した内容がAIの学習に使われる可能性があり、記録も5年残ります。会社契約に変えると、学習には使われず、記録も30日で消えます。1人あたり月およそ3,100円。
国の指針でも、業務でAIを使う際は「その事業者が入力内容を学習に使わないことを十分に確認する必要がある」とされています(個人情報保護委員会)。出店企業の原価や取引条件をAIに扱わせている以上、ここは変えておきたいところです。
SlackとTeams以外は検討しなかったのか詳細
Google Chat・Discord・Chatworkも比較しました。Google Chatは無料で使えて悪くありませんが、AIからの自動連絡を送れません。Chatworkは中小企業への普及度が高い一方、話題ごとに会話を枝分かれさせる機能がなく、後からAIに読ませるときに手間が増え続けます。Discordはサーバーの持ち主が個人アカウントにしかなれず、今回解消したい問題をそのまま作り直すことになるため見送りました。
参考:出店企業とのやり取りは、この3つに含まれるのか
結論から申し上げると、費用は増えません。出店企業は社外の方なので、席(ライセンス)を用意する必要がないためです。上の3つは社内の話です。
ただし①〜③の優先順位には1つ効きます。③AIの会社契約の重要度が上がります。出店企業からお預かりしている原価・取引条件・レシピといった情報を、すでにAIに扱わせているためです。社内の都合ではなく、お預かりしているものの性質の問題になります。
方針の考え方は「相手にやり方を変えていただくのではなく、こちらが吸収する」です。生産者の平均年齢は67.7歳(2025年農林業センサス)で、「このツールを使ってください」は通りません。ただし吸収する=あらゆる手段を受ける、ではありません。受け皿のない手段をご案内するほうが、かえってご迷惑をおかけします。そこで次のように整理しました。
- 入口はメールに一本化します。すでに会社の窓口アドレスがあり、AIがそこを読める状態も確認できています。
- LINEでのお受け取りは、ご案内から外します。これまで依頼文に「LINEでも構いません」と書いていましたが、受け皿を用意していませんでした。約束と実態が食い違っていたため、文面を直しました。
- 届いたメールは毎日自動で記録します。企業ごとに振り分けて残す形にします。返信を送るのは、これまでどおり人が行います。
- 打ち合わせはオンラインに寄せます。いま唯一、自動で文字起こしが残っているのがオンライン面談で、これが最もAIと相性が良いためです。
なおFAXは当社に番号がなく、届いた実績もありませんでした。今回の検討からは外しています。
いずれも費用ではなく仕組みの話なので、今回のご判断には含めていません。
3いちばん根本の論点:GoogleとMicrosoft、どちらに寄せるか
いま会社の道具は2つに割れています。メール・会議はMicrosoft、ファイル・AIの自動処理はGoogle。この状態は「どちらの使い方も中途半端になる」ので、どちらかに寄せる必要があります。上の①は、その答えを「Google」としたものです。ここが今回いちばん根本の論点なので、判断の材料を正直に並べます。
| 観点 | Googleに寄せる | Microsoftに寄せる |
|---|---|---|
| 費用(8人・年) | 153,600円 | 100,704円(年5.3万円 安い) |
| 全社の資料(いまGoogleにある) | 動かさなくてよい | 引っ越しが必要 |
| 会社のメール(いまMicrosoftにある) | 引っ越しが必要(最も重い作業) | 動かさなくてよい |
| AIが自動で回している日次・週次の処理 | いまGoogle側で動いている | 作り直しが必要 |
| AIがメールを送れるか | 下書きまで(送信は人) | 送信までできる |
| デスクトップ版のExcel・Word | 付かない | 上位プランなら付く |
費用では決まりません。差は年5.3万円で、しかも安いのはMicrosoftのほうです。当初「Googleのほうが年23万円安い」とご説明する予定でしたが、精査の結果この比較は成り立ちませんでした(外部AIを使うならMicrosoft側のAI機能は不要で、その分を外せるためです)。
決め手は「どちらを動かすほうが軽いか」です。資料はすでにGoogleにあり、AIの自動処理もGoogle側で動いている。動かすものが少ないのはGoogleに寄せる側です。一方でMicrosoftに寄せればメールを動かさずに済む——これがGoogle案の唯一かつ最大の弱点です。
「会社のドメインはMicrosoftから移せるのか」
.co.jp の移管手続き)は不要です。
ただし1点だけ、やり直しがきかない瞬間があります。メールの配送先は同時に2か所へ向けられないため、切り替えた瞬間から新しいメールはGoogle側にだけ届き、Microsoftには届かなくなります。したがって過去のメールを先に移してから、最後に配送先を切り替えるという順序になります。実務上はこの一手だけ慎重に運べば足ります。
もう1つ注意点があります。現在の設定にはShopifyとメール配信サービスの情報も同居していることが実測で分かりました。書き換えの際にこれらを消すと、お客様への注文確認メールが迷惑メール扱いになる恐れがあります。作業時に落とさないよう、事前に控えを取ります。
4かかる費用
なお8人全員が3つとも必要とは限りません。とくにAIは実際に使う人数だけで契約でき(最低2席から)、たとえばAIを4人分に絞れば月4万6千円→月3万4千円(年40万円)になります。
5お金をかけずに、今すぐできること
これは7月19日の定例で「実施する」と決定済みで、金澤さんへ依頼する段取りまで決まっています。作業は管理画面の設定変更のみ・約5分・追加費用ゼロ・元に戻すことも可能です。まだ着手されていないため、改めてお願いしたい一件です。
なお、記事を増やす前にこれを済ませる必要があります。順序が逆になると、書いた記事がAIから見えないまま溜まり、制作費が無駄になります。
6お願いしたいこと
ご判断・ご対応いただきたいこと
- 費用のご承認(月およそ4万6千円・8人想定)。3つまとめてでも、優先順位をつけて段階的にでも構いません。優先順位をつけるなら①会社名義のGoogle → ③AIの会社契約 → ②Slack有料化の順を推奨します。
- 現在のMicrosoft 365の契約内容のご確認(プラン・席数・年額・更新月)。減らせる金額を出すために必要です。
- ドメインの設定変更をいつ行うかのご相談。技術的に可能なことは実測で確認済みです(第3章)。残るのは「過去のメールを移し終えてから配送先を切り替える」という段取りと、その実施時期だけです。
- ホームページの設定切替(第4章。7/19に決定済み・5分・無料)。金澤さんへの依頼は佐々木から進めます。
いずれもご承認をいただく前に契約や支払いは行いません。現時点で発生している費用はありません。
まだ分かっていないこと(正直に申し上げます)前提
- 現在のMicrosoft 365の正確なプラン・席数・年額・更新月。減らせる額が出せていません。
- 移行そのものにかかる手間と、新旧を並行して使う期間の費用。上記の金額には含まれていません。
- 顧客管理の仕組み(CRM)は、今回の3件には含めていません。顧客が数十社を超えた段階で改めてご相談します。
- バックアップの整備も未着手です。ただし会社名義のGoogleに移らないと、そもそも導入できないことが分かったため、①の後に回しています。
技術的な検討の全文は、社内資料 70_バックオフィス/20260725_業務システム基盤ゼロベース設計_v1.html にあります。